将棋駒を創る 連載6 最終

将棋駒を創る 連載6 最終
水研ぎ用400番と1000番を使って真っ黒になった余分な塗りをとった。
この段階でレベルがわかるのだが、ある駒をうっかりして研ぎ過ぎて字が細くなってしまった。一つの駒は失敗作であり、後日塗りをとって彫り直しとする。
このまま継続して、プラスチックみがきで研磨して、椿油で仕上げた。通算して三週間かかったが楽しいひと時でした。
読んでくださった方には、ありがとうございました。



将棋駒を創る 連載5

将棋駒を創る 連載5
塗りと乾燥を繰り返すこと五回で、ついに塗りが終了した。駒は真っ黒である。
これを研ぎだして駒木地と水平まで入れた塗り部分を明確に分ける工程が待っている。これで完成レベルが表現されるのでドキドキの一瞬である。



将棋駒を創る 連載4

棋駒を創る 連載4
いよいよ塗装である。まず、下塗りとして砥の粉と同じ役目をするサンディングシーラを塗る。
私の場合は年金生活なので本うるしを使わず、合成うるし(工芸うるし)で代用する。塗り方は彫駒、彫埋、盛上の三種類(添付画像で説明)あり、今回は彫埋とした。
彫埋の最初の工程は、合成うるし(工芸うるし)と砥の粉を混ぜ、粘度を高めた錆びうるしで彫ったところを埋めていく。そのあと、合成うるしのみで、木地の表面と水平になるまで、おおよそ五~六回ほど、塗りと24時間の乾燥を繰り返す。
写真は2回目の塗りが終わった状態。



将棋駒を創る 連載3

将棋駒を彫る 連載3
将棋駒を彫り上げた。一日に数時間で12日間ほどかかったが、楽しい時間であった。彫るときに左手の親指を多用するので、爪の真ん中がえぐれている。王将の駒尻(駒を立てたときの底辺)には、書体の魚龍書と水之作(私の銘)が入っている。
彫が見やすいように塗装の下塗りをしたのと、画像加工してあるので、ちょっと赤くなっている。



将棋駒を創る 連載2

将棋駒を彫る 連載2
 前回は将棋駒を彫る前に字母紙を貼るだが、今回は将棋駒を彫っている最中の姿を紹介する。
 彫刻刀、駒を固定する治具、頭につける三倍の拡大レンズ、手元を明るく照らすLED電球などが駒を彫るときの道具である。
 彫る技術はレベルによるが、基本は彫刻刀の切れ味にかかっているので、一組彫るのに数回の研ぎを入れる。細かいので拡大鏡とライトは必須である。左手に持つ治具で駒を固定し、左手の親指で右手の彫刻刀を押して彫っていく。字の曲面は彫りながら治具を回すのである。



将棋駒を創る。連載1

今日から将棋駒を彫る。完成までにほぼ一か月かかるので、自粛中の作業としては最高である。
最初の工程は将棋の駒木地(将棋駒の木地)に字母紙(書体を印刷した紙)を貼る作業である。
3時間かけて、ていねいに貼る。過去の経験で、この工程をおろそかにしたために、ある駒を彫っている最中に字母紙が剥がれて途中から彫れなくなったことがあった。
駒木地全体はセットで購入しているので、一つ失敗すると全体に影響する。完全に乾かすために48時間ほどかけている。
 書体は魚龍書で上品だと思う。私としては初めての書体なので、彫るのが楽しみでワクワクする。



「盤上の向日葵」を読んだ

本屋大賞第二位でノミネートされ、テレビドラマにもなったた600ページを超す長編の「盤上の向日葵」を読んだ。将棋対局、名駒、殺人事件が展開される。主な登場人物は、プロ棋士、アマチャー棋士、真剣師と刑事二人および酒飲みのバクチ打ちである。非常に読みごたえのある小説であった。



久しぶりに将棋駒の注文

 飯能市の将棋仲間から久しぶりに将棋駒の注文があった。
ところが注文は難しくて、毎日曜日の「NHK杯テレビ将棋トーナメント」で使っている1文字の将棋駒と似たものを作ってほしいというものだった。今まで1文字は彫ったことがなく珍しい注文であった。
 字母紙(将棋駒を彫るときに必要な書体表)もなく、それから作成をしていくのは初めてだった。素材は御蔵島産黄楊の柾目で、彫埋(彫った後、ウルシを塗り重ねて、駒の水平面まで塗る)と条件も手間のかかるものだった。失敗を重ねながら、ほぼ1か月かかって仕上げた。
 注文者は出来上がった駒で、強豪と2回の将棋対局を勝ち、「水野さん作成の駒は、験(げん)が良い」と言われたときはうれしかった。でも、自分では完璧と言えず、未熟で修行不足を嘆いた。



将棋駒と駒箱を購入いただいた

 将棋仲間から将棋駒がほしいと言われ、在庫を見てもらい購入してただいた。駒生地は御蔵島柘植で、書体は清安書が気に入った。
 ついでに、けやきの柾目で作った駒箱も一緒に購入いただいた。この駒箱は一年前に、材料持ち込みで依頼されたもので、二つ作って在庫のままであったもので、整理が出来て私も重畳でした。



将棋駒を買っていただいた

 私のホームページを見て、横浜からわざわざ自宅まで来てくれて、在庫を見に来た。くつもの在庫から、これが気に入ったと、その場で買っていただいた。
 数年前に自分の勉強で将棋駒を彫り在庫としてあったもので、当時の作品感では「作品は今一歩の出来で、まだまだの実力不足を嘆いた。素材は御蔵島の黄楊、書体は巻菱湖で深彫にした」とある。
 ネットからの注文はいくつもあるが、自宅まで来て確認をされたのは初めてであった。