将棋駒を創る 連載6 最終
水研ぎ用400番と1000番を使って真っ黒になった余分な塗りをとった。
この段階でレベルがわかるのだが、ある駒をうっかりして研ぎ過ぎて字が細くなってしまった。一つの駒は失敗作であり、後日塗りをとって彫り直しとする。
このまま継続して、プラスチックみがきで研磨して、椿油で仕上げた。通算して三週間かかったが楽しいひと時でした。
読んでくださった方には、ありがとうございました。
将棋駒を創る 連載5
将棋駒を創る 連載4
将棋駒を創る 連載3
将棋駒を創る 連載2
将棋駒を創る。連載1
「盤上の向日葵」を読んだ
久しぶりに将棋駒の注文
飯能市の将棋仲間から久しぶりに将棋駒の注文があった。
ところが注文は難しくて、毎日曜日の「NHK杯テレビ将棋トーナメント」で使っている1文字の将棋駒と似たものを作ってほしいというものだった。今まで1文字は彫ったことがなく珍しい注文であった。
字母紙(将棋駒を彫るときに必要な書体表)もなく、それから作成をしていくのは初めてだった。素材は御蔵島産黄楊の柾目で、彫埋(彫った後、ウルシを塗り重ねて、駒の水平面まで塗る)と条件も手間のかかるものだった。失敗を重ねながら、ほぼ1か月かかって仕上げた。
注文者は出来上がった駒で、強豪と2回の将棋対局を勝ち、「水野さん作成の駒は、験(げん)が良い」と言われたときはうれしかった。でも、自分では完璧と言えず、未熟で修行不足を嘆いた。
将棋駒と駒箱を購入いただいた

将棋仲間から将棋駒がほしいと言われ、在庫を見てもらい購入してただいた。駒生地は御蔵島柘植で、書体は清安書が気に入った。
ついでに、けやきの柾目で作った駒箱も一緒に購入いただいた。この駒箱は一年前に、材料持ち込みで依頼されたもので、二つ作って在庫のままであったもので、整理が出来て私も重畳でした。

将棋駒を買っていただいた

私のホームページを見て、横浜からわざわざ自宅まで来てくれて、在庫を見に来た。くつもの在庫から、これが気に入ったと、その場で買っていただいた。
数年前に自分の勉強で将棋駒を彫り在庫としてあったもので、当時の作品感では「作品は今一歩の出来で、まだまだの実力不足を嘆いた。素材は御蔵島の黄楊、書体は巻菱湖で深彫にした」とある。
ネットからの注文はいくつもあるが、自宅まで来て確認をされたのは初めてであった。